;=ω)8か月ぶりですな… - みかど
2019/11/14 (Thu) 19:07:05
=ω)こんにちは! もちろんすに(というか3月当時に)読み終えてはおりますが、一作目ラストの感想のほうを。

129話。おそらくは人生最大のイベントであり、好きな人との最後の瞬間がどうなったのか、結末が記憶にないまま一生ひきずるというのはかなりのモヤモヤ感ありそうですね。

それを言うと実験の中のごく一部の光景しか見ていない古山さん(参加者の誰もがですが)。あのひとはどういう最期を迎えたのだろう、とか過るものも多いのでしょう。それでも、生還者ということもあって最も多くの実験内での真実を眼にして、あるいは聞いてきたのは確かでしょう。一人の参加者としては優勝者であることを加味しても破格の情報量を得ているわけで。また、出会えたい人に軒並み会えたのも、これまた優勝者であることを加味してなお不幸中の幸運だったかもしれません。

どうして自分が生き残ったのか。自分だけが生き残ったのか。もちろん、過程や理屈での理解はできているのでしょうけれど、そういうことではなく、もっと漠然とした、それでいてさらに確信に迫る類の疑問なのでしょう。

それはね、古山さん……。バトロワを見て作者さんがこのオリバトを書きたくなったからだよ!(身もふたもない!そしてそういうことではない!)

家族との再会を経てなお、自殺の考えがよぎることで、いかに古山さんにとって学校での時間、日々が重いものだったかがうかがえます。部活までしていれば自宅で起きている時間より長かったりしますからね、この年頃は。

やっぱり転校は淋しいですよね。とはいえほかのクラスに放り込まれるのも……。

栗井先生は本人も難しい立場でしたでしょうし、何よりキャラとして書く際にも難しいキャラだったのではないでしょうか。先生も実際には被害者ですし、無事役目を完遂したところでそのまま平穏に戻ってほしい気持ちもありますが、可能ならばそれで済ませたくないという心持もわかります。

東堂さんとの再会。実際に実験を生還した人からの共感は何よりも有り難かったかもしれません。それはつまり、この瞬間まで自分への不安と、あるいは不信もあったのかもしれないなと思いました。そして、明るくとはいかずとも実験の優勝者でも、心を回復することができた人の存在は力になるでしょう。

あかねさんがいるなら、古山さんは大丈夫でしょう。きっと。

130話。「自分のことは忘れてくれていいから」。どこかで聞いたような、そうでした。矢島さんもまた、最後に古山さんへ遺した言葉でしたね。確かに自分も、自分が亡くなった日とかにしんみりされても「暗いムードにされても俺生き返るわけじゃないから……」って思いそうです。「あいつは居酒屋で三転倒立とかしたよなw」とか「一作目とか二日に一回更新してたのおかしいだろw」「なお最終作」「それなwww」とか笑われながら、残った人たちに旧交を温めて頂きたいものです。

夢か現か、オリバトでは結構ある死者との邂逅ですがともかく、二人が最後に話せる機会があったようでなによりです。矢島さんも待っているでしょうし、それこそ心残すことなく今度こそ、白凪君は往けるのでしょう。

そしてやはり、こうなると萩岡君は……

131話。かつて腕相撲で全治一年(神経含む)の大けがをした私の経験からいたしますと、両腕やっちゃうと狂います。たぶん。両足と片腕はやっても片腕は無事(?)だったのは幸いでした。

専守防衛軍の白石さん。日本刀持ってそうです。髪の毛銀色ぽいです。実験中止を訴えるのは様々な条件がこの場に揃っていたからでしょう。例えば神山君と古山さんが同じクラスになった事はただならぬ奇跡で何かを感じるには十分ですし、先生の様子にしてもそうでしょう。何より、古山さんや矢島さんたちの行動は強く衝動を与えたに違いありません。それにしても心持を読み違えば教官に殺されて無駄死にだったわけで、そのうえでの発言だったのでしょう。繋がっている。この実験での生徒たちの行為が、この決断に繋がったということでもあるのだなと思いました。

これが一作目絡み最後の書き込みの予定でしたが、長くなったのでラスト2話はまた次回。
Re: ;=ω)8か月ぶりですな… - 透@管理人
2019/11/16 (Sat) 17:32:19
 みかどさん、お久しぶりです! もう八ヶ月にもなるんですね……。大体完結からそれくらい経つことにもなるので、ちょっと時の流れの早さも感じます。
 一作目のラストの流れの感想。ありがとうございます。謹んで、返信させていただきます。


 129話。湖から上がった瞬間には終わっていて、かつ宗信の最期を看取ったわけではないですから、モヤモヤとか後悔は一生残ると思います。大樹に対してもそうですが。
 晴海は序盤動いていないこともあって、知らないこともかなり多いです。ですが、中盤から結末にかけては多くの出来事を目撃しています。楓を看取ることもでき、絵梨や明日香、想い人の友人らの最期もおおよそ知っている。そして何より、このプログラムの顛末を見届けた。そう考えれば、不幸中の幸運でありますね。そして全てを知ることはできなくとも、生き証人でもあります。
 
 なぜ生き残ったのか。それは理屈とかそういうものを超えた、もっと根本的な、原始的な疑問ですよね。だから、どんな返答でも納得などできない。できるわけがない。だからこそ、一生悩み続けると思います。きっと、これから。
 そう言われては身も蓋も本当にありませんが(笑)、きっと優勝者には多かれ少なかれ浮かぶ疑問ではあると思います。特に、晴海のように元々優勝を目指していたわけではない人にとっては。

 思春期にとって、学校という居場所の存在はかなり大きいですよね。家よりもいる時間が長かったりしますし、家族よりも多くの人と関わりますし。晴海にとっては、楓や宗信がいるあのクラスは一番大切な場所といっても過言ではありません。そのクラスが自分を除いて全員いなくなってしまったのですから、心中は最もだと思います。


 栗井担当官は、最初は今と全然違うキャラだったのですが、個人的にはこっちの方が書きやすい印象がありますね。それでも、淡々と進める内に葛藤を秘めている感じを、どのくらいの塩梅で出すかは気を付けた記憶があります。出しすぎても生徒に察せられるし、出さないと展開として不自然だし……。
 彼自身は元々担当官であるので、今後もプログラムに携わりながら生きていくと思います。担当官になった時点で、平穏など望んではいけないという覚悟はありそうですから。


 二作目ともつながる後半の部分は、それぞれ違うプログラムを生き抜いた両者が互いに支え共感し、その上で生きていく決意を固める場面でもあります。二作目ではこの話のあかね視点もありますので、よければぜひ(宣伝)
 二人に必要なのは、何よりも共感だったと思います。それは、晴海だけでなくあかねにとっても。「死ななかったけど、これからも生きられるけど、それでも辛い」というのは、なかなか他者には分からない感情かなと思いますし。
 あかねがいるから晴海は大丈夫ですし、晴海がいるからあかねも大丈夫だと思います。そこは、作者としても安心です(笑)


 130話。このLinkは死者との邂逅がなかなか多いですが、エピローグにもあります(爆)本編ではとうとう会えなかった二人ですが、幸か不幸かこういう形で再会できました。
 ここでの浩介の言葉は、個人的に結構好きです。そして、楓と似たようなことを言っていますね。もういない自分の存在より、これから先を生きてほしい。楓が晴海を想ったように、浩介も宗信を心配していたわけで……。
 プログラムが六月に行われていて、かつ晴海と楓、宗信と浩介は三年になってからの関係なので、月日としてはかなり短いですね。そんな中でも、このような深い関係を築くことができたのはすごいことだなと今更ながら思います。
 浩介にとっては、会えなかった宗信のことが唯一の心残りだったでしょうから、これで心置きなく往けると思います。

 131話からの一連の種明かし。名前は出していませんでしたけど、時折出てくる青年兵士は白石兵士のことですね。専守防衛軍の中には、彼のような人もいるのではないかという私個人の願望こみこみのキャラです。
 自分が死ぬことも覚悟の上の進言だったのですが、そう決意するだけの要素は十分揃っていました。ですが、それでも相当の勇気がいったと思います。みかどさんのおっしゃる通り、ここも”Link”するところですね。

 みかどさんの書き込みで、改めて読み返したりして、色々感慨深いものがあります。今更な話ですが。
 こんなにたくさんの感想ありがとうございます! それでは!